週末にお送りする次世代ゲーム紹介

今回のテーマ
去る2013年6月11日に,E3カンファレンスがありましたね。次世代ゲームとはタイトルにしましたが,PS3やXBOX360も次世代ハードとして名高い今,新しい呼称が必要なのではないかと思い,そこで次世代のゲームに焦点をあてて話していこうと思いつけました。E3を境にどんどんとそうした次世代ゲームのトレーラーが出てきているので,個人的な注目策の紹介とちょっとした小話をしていきたいと思います。



 Assassin's Creed 4 Black Flag
Assassin's Creed Black FlagのE3トレーラーを先ずご覧ください。

私はアサシンクリード(以下アサクリ)シリーズが大好きで,新しい情報はほとんどチェックしています。
今回のトレーラーはアサクリシリーズでよくある実写のようなゲーム紹介ムービーでした。主人公のケンウェイは前作Assassin's Creed 3の主人公コナーの祖先で,大航海時代の海原にいたアサシンのお話のようです。この動画の見所は,なんといっても若き日のエツィオ・アウディトーレのような強かさとコナーのような身のこなしを兼ねそえ,海賊のキャプテンとしてのカリスマ性を持ち合わせる主人公の魅力に満ちあふれているところでしょう。E3での実機プレイデモ(動画はコチラへ)も,それを感じさせるすばらしいものでしたよね。非常に楽しみな作品です。

Dark Souls Ⅱ
Dark Souls ⅡのE3トレーラーがこちらです。

私はDemon's Souls時代からのシリーズのプレイヤーで,FROMSOFTWAREの「体験する」ことをテーマとしたゲーム性と,感じさせることをプレイヤーに求めているような世界観の作り方がとても気に入っているシリーズの最新作が『Dark Souls Ⅱ』です。
これまでに公開されたムービーでは,やはり「体験」型の,いってしまえば既存のイメージを重ね塗りしたものが見えていました。しかし今回公開された動画により,これまでとは少し違ったテーマが見えてくるのではないかと思います。前作『Dark Souls』では,もう一つのテーマとして各キャラクターの物語を掘り下げるものが初代より加えられました。その中で見えてきたものが,”人間性”というキーワードです。
”人間性”というのは通常プレイしている以上,主人公の役にたつアイテムでしかないのですが,”人間性”を求めるが故に闇のカアスと契約を結ぶプレイヤーが出てきたりといったメタ的なものから,アノール・ロンドの統治者たちの”人間性”を半竜プリシラとの邂逅で疑ってみたりといった背景設定的なものまで,様々な”人間性”がゲームの中に込められていました。
今回のムービーでは,敵に人間タイプのものと,あと少しドラゴンが出てくるだけです。今までの敵との差異に違和感を覚えるのは私の思い過ごしではないでしょう。今作では,今まで以上に”人間性”について実感させられそうです。
最後に一点加えると,ムービー中の煽り文のメッセージ性は演出の問題で全く伝わってこないのが残念です。

Beyond:Two Souls
お次ぎはPS3専用タイトルからBeyond:Two Soulsの続報をどうぞ。

  このゲームの第一報を聞き最初のrevealトレーラーを見たときは,超能力をもってしまったエレン・ペイジが刑事事件に巻き込まれていくような感じの「追われていく」展開でした。しかし,今回のE3でお披露目されたものは,全く毛色の違う勇ましいトレーラーとなっていました。主人公が華奢な女性なため,こうした理由付けは必要なのでしょう。ゲームがこれからどういうものになっていくのか楽しみではあります。

Batman:Arkham Origins
そして今秋発売予定のバットマンのアーカムシリーズ最新作のE3ゲームプレイ映像をどうぞ。
 

 あまりゲームプレイといった感じではありませんでしたが,E3前に発表されたかっこいいFull Trailerを見てからは,期待への安堵感しかありません。
 バットマン:アーカムシリーズは既に2作品出ていますが,内容はいわゆるキャラゲーの範疇の域外です。アクションゲームのストーリーやキャラクターがバットマンというだけというぐらいゲーム性の高いものに仕上がっていた作品たちなので,今作も見逃せませんね。

MGSV THE PHANTOM PAIN
MGSが帰ってくることが知らされたのをつい先日のように感じますが,今回はさらに奥に踏み込んだ内容紹介のトレーラーです。

 オープンワールドになったMGSは,なんだか以前コラボしたこともあるアサシンクリードのようですね。新しい潜入感を体感できることを期待しています。

Watch Dogs
Watch DogsはUbisoftの作ったTPSで,非常にかっこいい世界設定のゲームです。最初にE3トレーラーをどうぞ。

最初のゲームムービー公開からだいたい半年でしょうか。ここまで完成されてきたのはとても喜ばしいことです。途中,「Heroes Wanted」と題してスタッフを何度か募集していたので,E3に確りと出展できていることで安心感をもらいました。
Watch Dogsはほぼ現代の都市が舞台で,すべての電子機器が監視下にあるような世界設定となっています。詳しくはYoutubeに説明動画があるのでどうぞ(英語です)。その世界の反乱分子のうちの一人が主人公のようですね。主人公は手元の携帯端末を用いて街中の電子機器をハッキングし,自分の武器として,時には仲間を助ける道具として活用します。ここが本作の一番の魅力でしょう。「やってみたい」と思えるGeekたちの心の声が形になったようなゲームです。実際のプレイの様子はコチラ(Youtubeに移動します)で。
悪を討つために不法行為をするヒーローというのは,バットマンにとてもつながっていると思います。最新の彼は電子機器が標準装備ですし。異なる点は,本作の主人公は街を武器にするという点でしょう。打たれ強い肉体も,両親を殺された幼少期も(今のところ)送っていないのですから。このゲームは三人称視点のため,そのための没入感をどこに設定しているかがこれからの見所でしょう。

 Tom Clancy's The Division
最後に,これも同じくUbisoftからE3でのサプライズを紹介します。ぜひGame Playムービーをみてから先に進んでください。

どうでしたでしょうか。世界設定はコチラ(リンク先はYoutubeにつながります。言語は英語)です。これはオープンワールドRPGなので私はなじみがないのですが,演出がグッとくるポイントがとても多かったのがとても印象に残りました。早速紹介をしていきましょう。
最初のカメラが橋を映してから建物にイントルードしていく場面で流れていく音楽はとても記憶に残りやすい印象を私たちに与えてくれます。そうですね,『Bioshock』で触れられていたようなミッドセンチュリーのイメージです。しかし舞台は近現代で,ここに”荒廃”のイメージ像が浮かびます。そしてそのすぐとあとにも出てくるメニュー画面はどうでしょうか。私は『Dead Space』を思い出しました。UbisoftはHUDにとても凝っていて,今回のそうした努力はこのままでいくと「キャラクターを見ているだけでいい」という非常に私好みの作り込まれた作品になりそうです。そして読み込みのないMapと画面上の行き先表示は,すばらしい没入感を私たちに与えてくれるでしょう。
戦闘シーンでも,細かい個性が光ります。武器の表示から仲間とのリンクしている状況まで一目で分かりますよね。ただ,敵にダメージを与えたときに数字が出てくるのはゲームっぽさがしていて,ここは前述の”ゲームが与えてくれるイメージ”と相反しているのが気になります。「だってRPGでしょ」と言われたらそこでおしまいなのですが。
この動画の中で最も気に入っているシーンが,建物に入ってからです。まず気に入ったのはアイテムを取得する場面です。ただ取得するだけでなく,手を伸ばして握っていますよね。こうした細かい気配りが非常に高い没入感を得る手助けとなります。そしてここを読んでいる方にはぜひもう一度確認して欲しいのですが,「建物で荒廃感・戦場にある感じをを出す」というのには,通常の奇麗な建物を作る以上の手間がかかるものです。『MGS』シリーズで著名な小島プロダクションの『GUNS OF HIDECHAN RADIO』内にて,戦場にある建物を作るときの細かいポイントを話していたことをよく憶えているのですが,今作でも全く当てはまるポイントでしょう。
地図を更新してから走って通路を曲がる瞬間までに注目してみてください。画面が太陽の光でキラキラと反射するのが分かるかと思います。こうした「ほかの場所と何か違うぞ」といった感覚で行き先を示すというのが,Ubisoftのゲームは本当に上手いですね。加えてそのすぐ後の,破壊された窓から光が差し込んであたりを見回すシーンに注目です。ほこりが舞っている誰でも分かるのですが,ここが廊下で”最後の”光が差し込んでいる場所というのが重要なところです。光に浮かび上がった淡い自分の影を確認することを,きっと製作者は想定しているはずです。そして間髪いれずにくる崩壊イベントと,その先の部屋ではやはり”暗い場所”+”明るい行き先”です。こうした繰り返しはテンポよく攻略上の情報として頭の中に入ってくるので,良いプレイ感覚を与えるためには必須でしょう。ここでは行き先が二つあるのですが,ドアを開ける動きを出すことで視線を誘導させています。ここに最後に訪れることになる"EXIT"があることに気づかなかった視聴者もいるのでは?
長くなりましたが,これだけ見応えのある動画もなかったので,紹介させていただきました。これからが楽しみですね。

最後に
次世代ゲームはこれからどんどんと盛り上がっていくものとなっていくと感じさせられる,素晴らしいユーザー体験を既に感じました。これからの家庭用ゲーム業界の発展を願っています。


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