The Unfinished Swan

前回の記事で次回の予告をしていたにも関わらず、今回まで期間が空いてしまったことは申し訳ない。
さて、今日はThe Unfinished Swan(公式サイトが開きます)の話をしよう。



 このゲームをまだ体験していない人は、どんなゲームなのか本当に分からないのではないだろうか。
 物語は、少年が首のない白鳥を追って夢の世界を進んでいくという部分から導入が始まり、ゲームのシステム面の特徴としてFPSであることが始まってすぐにわかる。しかし、少年がShootするのは絵の具だというのがかわいげがあって良いところだ。
 少年は王様の作った真っ白な世界を絵の具をばらまいて分かりやすく輪郭をつけたりしてステージを進んでいくのだが、このゲーム全体は、言わば絵本のようになっているがために、こうしたステージはどんどん変わっていく。
 もう少し具体的に言うと、真っ白なステージに黒い絵の具を投げて進むゲームはお話の冒頭部分で、話が進むにつれて影が追加されたり、水をあげると伸びる植物が追加されたりと単調でない面白さがある。
「ずっと真っ白な世界を進んでいきたかったのに」
と言う人もいるかもしれない。その点も大丈夫。クリア後にそういったコンセプト・ステージというものが追加され、あのどこかホラーじみた世界をもう一度体験することができるだろう。


どんな人におススメか

  • 絵本の中を進む雰囲気が好きな人
  • 一人称視点でも酔いにくい人
  • 独特の世界観があるゲームが好きな人
  • 謎解きが好きな人
  • 風ノ旅ビト(Journey)が好きな人
  • 今までにないゲームをプレイしたい人

 私がこのゲームで面白かった部分をあげてみよう。まずあげたいのは、このゲームは物語に沿っているという点だ。ゲーム内では2つの物語が並行して語られる。1つは少年が白鳥を探す物語で、もう1つは、真っ白な世界を作った王様の物語だ。真っ白な世界は住民に反対され、影をつけてからどんどんと変わっていく王様の世界は見ていてとても世界を感じられるいいフレーバーだ。この物語は、世界のどこかに額に飾られた絵のように掛けられていて、少年が絵の具を投げることで読めるようになる。すべてローカライズされているので安心だ。
 2番目にあげたいのは少年の目的が明快だという点だ。プレイしてみれば分かるが、コンセプト・ステージのままであったなら、きっとここまでお話を盛り込めなかったに違いない。白鳥を探すということが目的であるために、ステージを進む理由は常にあり、そこにプレイヤーの探究心をくすぐるものを入れてくるからこそ、飽きずに次へと進めるのだ。

 このゲームは加えて『風の旅ビト』か『DATURA』を購入していれば¥1,200からディスカウントされて¥1,000で購入することができる。ちょっとでも気になったらプレイしてみてはいかがだろうか。

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