ルールへの理解がなかなか時間が要って遊ぶまで大変でしたが,いったん参加者がルールを覚えてからはめちゃめちゃ楽しかったのでぜひ遊んでいただきたいのです!
12種類の中からランダムに8枚のモンスターを闘技場に送り込んで,プレイヤーは手札と掛け金を使って闘技場のモンスターを応援します。最後まで生き残ったモンスター(最低3体は生き残ります)にいくら賭けていたかの合計で勝者が決まるゲームです。
コンポーネント(HUD,オリジナリティー,グラフィックなど):6pt.(最高)
アークライトのゲームらしく箱はいつもの流用なんですが,他の商品とも並べやすいのでいいですよね。タイトルも雰囲気にマッチしています。中身のコンポーネントは闘技場にでるモンスターの絵柄も悪くないですし,モンスターの特殊能力と相まってそのモンスターの個性がよく出せています。見た目と能力がなんとなく合っているのもGood。観客カードもフレーバーと相まって分かりやすいですね。カードの表面も見るべきものは分かりやすく,最小限のもので構成されているので見やすいのが良い。絵柄が少ないのもゲームのシンプルな面白さを表すのに一役買っているでしょう。
プレイアビリティー(複雑すぎないか,流れは良いか,システムは適切か):5pt.(ほとんど完璧)
アークライトの日本語版についている説明書は若干不親切で,全てが読むべき箇所であるというのがつらいところです。ゲーム中の並べ方を表す図は最初に持ってきてもいいんじゃないかな。インストの際には,最後の形を見せてからやる方式をとるのがよいでしょう。「後見人」という制度が面白いし,見た目にも分かりやすく表せているのは技あり。プレイする時に注意して欲しいのは,ラウンドの中にターンがあり,ターンの中にフェイズがあることと,秘密の賭けは第一ラウンドでしかできないこと,秘密の賭けに使われたカードは捨てられること,それに秘密の賭けの公開はフェイズ1にするアクションであるということの4つです。それさえ気をつければ賭けを楽しめるゲームとなるでしょう。
「なぜあのプレイヤーはそのモンスターを殺そうとしないのだろう」といった場の雰囲気から生き残りそうなモンスターを予想するのは,アルケミストというボードゲームに似た探り合いをできる面白い要素ですね。
インタラクション(ひとりプレイか,相互に関わりあってプレイできるか):6pt.(最高にインタラクティブである,活気がある)
他人の手番のときにプレイするカードはありませんが,見逃すべき情報はほとんどありません。これはとても重要なことですね。また,ひとつのモンスターに全賭けしているからといってソリティアになる前に全プレイヤーから狙われますから,そこもいいバランスです。意図的介入(運の要素が強いか,戦略的か):4pt.(戦略的な要素が運の要素をやや上回る)
このゲームは先手プレイヤーになれるかということも運ですし,最初の8枚の手札がゲームの方向性を決めるため,尖っていない手札だとかなり厳しい戦いを強いられることになります。そういったプレイヤーはカードを引けるモンスターが少ない場だと,戦い方も限られてきてしまいます。そうした要素以外は,場の雰囲気をつかみ,特殊能力を駆使してプレイヤーの手札をのぞき見たり,はたまた目立たない行動ばかりして戦略的に生き残ることを目指すことができるゲームです。大変に楽しいですね。
魅力(どれくらい楽しいか):6pt.(本当に楽しい,何度やっても飽きない)
初めて触れた日に三度回したくらい遊べました。遊んだ後の感想を言い合うのも楽しいですし,秘密の賭けがあるからこそ,話も膨らみます。場に既に出ているカードをどけてしまうカードや,能力を無効にするカード,二枚カードを使用できるようにする能力などの特殊能力がかなり複雑なゲームの層を形成していて,なのにプレイングはとてもシンプルなのがいい。素敵です。
総評:89.1点(素点:27/30pt. )
『コロッサル・アリーナ』は100点満点中89.1点でした!本当に楽しいゲームですね。プレイヤーを変えモンスターを変え,席順を変えをしているとずっと遊べてしまうかもしれません。モンスターの種類が増えたらきっと楽しいだろうな。
このゲームは初めてあそぶアナログゲームとしても適していると思います。Amazonでも簡単に買えるので,最近の流行のボードゲームに触れてみたい方は是非。