PS4を購入し，その日にPS plusに加入してフリータイトルを遊んだのですが，この度ストーリーをクリアしたので，『Contrast』というゲームの紹介をしたいと思います。
公式サイトはコチラ。
このゲームは，女の子（ディディ）が部屋を抜け出し，夜の街に繰り出して母親の仕事場をのぞきに行こうとするのを影の世界から応援する場面から始まります。“Ladies and gentlemen, children of all ages, there’s a new show in town!”
プレイヤーが操るのはDawn（ドーン）という曲芸師。彼女は自分の影と一体化し，影となって影の世界を自在に動くことができます。
そんな特別な存在である彼女を操って，1930〜40年代のアメリカの街をバックに少女（ディディ）の家族とのふれあい，又，行く末を見守るゲームです。
ゲームを始めて一番最初に触れるのって，やっぱり音楽なんですよね。このゲームはタイトルからJAZZがどんどん心に響いてくる。
"Kat's Song"という曲をLaura Ellisが歌っていて，これは少女ディディの母親の職業に関係してくるわけで，世界観に引き込む導火線の役割を確実にこなしている。これはなかなか渋い仕事ですよ。
iTunesで購入できます。『 Kat's Song(feat.Laura Ellis) 』ぜひご視聴あれ。
ロード画面からゲームに移行するときも好みで，ロード画面ってコンセプトアートなんですよね。そこから書き起こしたゲーム画面に移るので，絵が立体的になって動かせるようになっているというか。その過程が素晴らしい。
後で語ることがなくなってしまうので，レビューにいきましょう。
コンポーネント（HUD，音楽の質とオリジナリティー，ストーリー，グラフィックなど）：5pt.（よい）
余計なHUDは無し、これは全く文句無しです。体力もなければアイテムもない。HUDが要らないゲームはいいですね。音楽はバッチリです。耳に残るようなタイトルテーマもありますし，耳に障るような音楽はありません。
オリジナリティーは良いですね。影の状態と実体の状態を繰り返してパズルを解くのはとても面白かった。ただし，箱の存在によりバグが増えたことが問題か。
ストーリーは平凡かな。もっとDawnを掘り下げて欲しかった。最後にぐっと詰め込んでしまっただけのような感じ。
グラフィックも並み。しかしこの独特の雰囲気を作り上げている要素でもあるので批判しづらいところ。
プレイアビリティー（複雑すぎないか，流れはよいか，システムは適切か）：4pt.（ルールに不備や不明瞭な点は少ない）
やれることが少ないのでストーリーの進め方は問題無し。ただし，箱が実体化しているところが手を引っかけたいところなんかに来てしまうと，完全に進行不可能になるなど致命的な欠陥があります。これは通常プレイしていた時は全く気づかず，チャプターセレクトでやり直したときに気づいたので，一周目で出くわしたらもっと酷評していたかもしれません。
インタラクション（ひとりプレイか，相互に関わりあってプレイできるか）：1pt.（ほとんどソリティアである）
シングルプレイ専用ゲームです。意図的介入（運の要素が強いか，戦略的か）：6pt.（純粋な思考ゲーム，運の要素はない）
たまたまクリアできたなんてパズルではなくて，正解が用意されていて，それに自分で気づいて進めて行くしっかりとしたゲームです。パズルの雰囲気は無理矢理あてはめたものは一つもなく，素晴らしいです。難しいパズルを求めている人にはものたりないかもしれませんが，私はメリーゴーランドの影のパズルなんてとっても好きでしたね。
魅力（どれくらい楽しいか）：3pt.（よいゲームだがやや見劣りする）
リプレイ性がないのが今作の問題かな。解いてるときは楽しいのだけれど，パズルはどうしても一回解いてしまうと作業になるので。ストーリー終盤の影の見せ方もよかったのだけれど，何度も何度も体験したい楽しさではなかったので，せっかくゲームクリアまでわりと短いのにもったいないかもしれません。
総評：62.7点（素点：19/30pt.）
海外の権威あるレビューサイトを見ると，ちょっと甘めの採点かもしれませんね。やはり，雰囲気が抜群に独特で素晴らしいのが私にとってそれだけとても大きいのです。あとちょっと開発を延ばして，Dawnの素性やその後の影の世界と表の世界の干渉なんかを描くとぐっと面白くなるんだろうに，惜しいというのが正直な感想です。
公式サイトも凝っていますし，こういった説得力を持たせられる力は相当なものですから，今後のCompalsion Gamesには注目ですね。