前回までのThis War of Mine
戦争が起き国民全員がその日暮らしとなった日に出逢ったパヴレ、マルコ、ブルーノ。三人が結束を深めた翌日は空腹に困っていたが、食料があったので持ちこたえることができた。そして拠点に空いた第二の穴を塞ぐことに成功した三人は、また枯渇しつつある物資を求めて砲撃を受けた学校へ探索に行くのだった。マルコはかつて砲撃を受けた学校で冷蔵庫を見つけていた。これは今やホームレスたちが利用している学校にあったもので、そこから貴重な肉と水を分けてもらうことにした。……もちろん無断でである。おかげでまたしばらく肉には困らないだろう。強盗に盗られないよう、もっと拠点の防御を考えたほうがいいのかもしれない。
マルコは昨夜の探索でかなり疲弊したようですぐに眠りについてしまったが、腹も減っていた。そこにすぐ気付いたのはパヴレだった。襲撃がなかったとはいえ夜番をしていた彼はとても眠かったので、ブルーノに料理を任せて彼も眠ることにした。
ブルーノは料理をしながら考えていた。タバコが足りないのだ。ブルーノもチームのことを考えてはいたが、どうしてもタバコのないイライラが拭えない上、そのことを悲しんでいたのだ。他人のことを考える余裕のあるパヴレが羨ましくもあったが、とりあえず自分にできることを進めることが大事なのかもしれないと思える余力は彼にも残されていた。
ノコギリを作れば自分も役に立つのではないかとブルーノは考えた。彼はノコギリを作って、やがて迎えた夜にマルコに持たせて背中を押した。これでようやくあの鉄格子を開けその先に待つものを手に入れることができるのだ。
マルコはさっそく砲撃を受けた学校に忍び込んで、鉄柵を探した。もう3度目の侵入ともなるとだいぶ緊張感も薄れていた。ホームレスたちの いない一階に鉄格子があったので、さっそく使ってみる。
なんと一回使うだけで壊れてしまったが、有り合わせのもので作ったものにしては刃こぼれしなかった方だろう。地下二階にある鉄格子は、また次の機会にしておこう。
興味深いものは資材だけではない。この鉄格子の中にいたであろう人間の書き置きもまたこういった場所には残されていることが多いのだ。これを見て戦争に想いを巡らす前に、家に帰らなければ。まだ帰りを待っている人がいるのだから。