This War of Mine 10日目

前回までのThis War of Mine

 戦争が起き国民全員がその日暮らしとなった日に出逢ったパヴレ、マルコ、ブルーノ。三人が戦時下の生活に心も体も疲弊させられていた時に現れたのが第四のチームメンバー、マリンだった。彼はチームに馴染むために張り切って働くが、チームを救うために夜の探索で彼は目の見えない老夫婦宅に忍び込んでしまう。彼を迎えたチームは何を思うのだろうか……。


 マリンが物資の探索から戻ってきた朝に見たものは、チームの負傷した姿であった。自分たちの物資を奪われることはなかったが、それはチームの尽力あってのものだ。そろそろ防衛のために武器を作る余力を持つべきなのかもしれないが、私たちは他人の持ち物を奪ってくるほどものに困っているのだった。

 マリンは仕方がなかったのだと仕切りに言ったが、マルコは老人の身を案じていた。ブルーノは精神的に参っていたので、自分たちの瀕している様子を捉え「なにか持ってきてくれたら満足だ」とでも言うかのようであった。

 パヴレは昨日からひどい空腹に困っており、まったく動ける状態ではなかった。なにか食べないともう取り返しがつかなくなりそうだが、マリンが老夫婦の家からもってきたものでなんとか飢えを満たすことができるかもしれない。

 ブルーノが久しぶりのタバコを吸いながら料理をしてパヴレに食べさせたり、夜に活動していたメンバーが眠りについていたりと昼の生活をこなしていると、以前訪ねてきたこどもたちが再び戸を叩いた。この危険な昼の街をよく何回も移動してこれるものだ。今度はごはんが手に入らないから、缶詰を分けてくれという。それも、2缶だ。私たちは1缶しか缶詰を持っていないので断るしかなかったが、少しの怪しさがあったのもその返答をするための要素として大きかった。

 慌ただしく動きまわることも少なくなる昼下がり、何日か前に作ったラジオから重要な情報が流れてくることがわかった。コーヒーの価格が高騰してきているとの話だ。ただし闇市での話で、これはつまり兵士にご機嫌をうかがったり病院に忍び込んでいくことでしか辿り着けない場所のことだ。かなりの危険が伴うと思われるので、行くならしっかり武装しなければならない。

 その夜は教会に行こうとも考えたが、どうにも危険を回避したい我々はそこへ行くことを諦め、交渉材料となるコーヒーを集めにいくことに決めた。

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