クトゥルフ神話をモチーフにしたボードゲームで、アーカムホラー
・概要
このゲームは「TRPGをボードゲームにしてやろう!」という意向で作られたもので、プレイ人数がGM(ゲームマスター)一名と、探索者一〜三人から成る。
前述の意向のおかげあってか、キャラクターの能力はチェックシートではなく簡易選択式になっていたり、状態異常はマーカーになっていたり、そのセッションの目的などはカード化されていたりととても分かりやすくなっている。
またアーカムホラーから学んだことを反映させたのか、前回の「能力判定回数ぶん六面サイコロを振る」という煩わしさから「十面ダイスを一回振る」と成否判定行為が変更されていたり、キャラクターシートの上に「与えられたダメージ分のトークンを取り除く」形式から「与えられたダメージ分のトークンを置く」ことによってコンポーネントをごっちゃにさせないようにしていたりした点が改善だと思えた。
ゲームプレイは、アーカムホラーではアーカムシティや異世界を飛び回って旧支配者の復活を阻止、あるいは旧支配者が復活したら死ぬ気で殴りかかるといった戦闘が重要な面が多かったが、今回はシナリオに沿ったマップを組み立て(Mansions=大邸宅)、なにか重大な事件が起こる前に手がかりを見つけだしストーリーを進めていき最後にみつかる勝利条件を満たすといった探索者がより探索者らしくなるゲームとなっている。
おまけに敵も探索者も、今回はフィギュア付きである。雰囲気を盛り上げるのでこれはとてもうれしかった! 彩色済みでないのは海外のご愛嬌である。
・シナリオ1-リンチ家の崩壊
失踪した男の調査をする、というシナリオだ。
このように組み立てたマップに探索者を動かして探索していく。iPhoneで撮影した時の手ぶれでもなんとなくこういうことをやるのだという感じは伝わっているはず。
写真の手前に置かれているカードは左から獣型モンスター、人型モンスター、異形モンスターへの(の)攻撃カードである。
ちなみに私の操る探索者はお気に入りのジェニー・バーンズである。
妹イザベラの失踪の手がかりを探しにアーカムにやってきてしまう金持ちの娘で、なぜか両手にColtの45拳銃を持っている肉体派才女である。ただし体力は10正気度も10とそこはバランス型。まさに才女である。
このときルールを間違えていたため、探索者圧倒的不利で敗北。それでもあと一歩だったのだが。
・シナリオ3-血縁
叔父の遺産を相続した主人公が、叔父がしたという契約の秘密を探るシナリオ。
探索者はまず主人公となるプレイヤーひとりを決める。
庭が広く、ここでもまだルールを間違えていたためとても難しく終止ゲームマスターに翻弄されて手がかりが全然見つからないまま庭にある墓地からどんどん出てくるゾンビに敗北。
ちなみに今回も私はジェニー・バーンズをプレイ。
・シナリオ2-神聖なる場所
以前世話を見た知人から、今度は生命の危機を助けて欲しいという手紙がとどき、怪しい雰囲気抜群の協会に侵入するシナリオ。
写真はセッションが終わったところだ。巨大モンスターが闊歩しているが、うちクトーニアン(右の口から触手があふれているやつ)を倒せば探索者側が勝てるという条件があったので、 なんとか倒した瞬間。
今回はキャラクターの趣旨を変えて、ゴールドバーグという作家をプレイしていた。彼女とはアーカムホラーの頃からいろいろとご縁があり、今回は魔法「束縛」を持つ魔法キャラとして参戦した。
「ヒット&アウェイ戦法と拳銃でゾンビを倒して味方をサポートするバイオハザードやってたジェニー」とは打って変わって「束縛でモンスターを足止めして逃げ切る=探索する作家」というこちらもいそうなタイプであった。
持っていた松明で部屋に放火し、巨大モンスターを痺れさせるなど足止めして部屋ごと焼き殺す、という頭脳戦とチームワークでなんとか辛勝をおさめた。
シナリオは全部で五つあり、それぞれに分岐がてがかり(シナリオごとに得られる手がかりカード=ストーリーの数が決まっている)ごとにa,b,cと三種類あるので、単純な組み合わせでも15種類のストーリーがあることになる。
これはなかなか良いボリューム。探索者の数やモンスターの数が若干少ないような気もするが、十分楽しい。
だいたい1セッションで2時間ほどかかる。アーカムホラーよりプレイヤー同士の相談が少なく済むのはとてもいいことだと思うし、なにより邪神が復活したらおしまいというのはクトゥルフっぽくて良いよね。
最後にモンスター全員集合写真をば。徹夜で遊んでいたので、これを作ったときにはみんな相当
クトゥルフRPGが好きな人にはとてもおすすめ。日本語訳の雰囲気も抜群だしね。
あわよくば拡張が日本語訳されることを祈って!