さて、先日iPad版先行で無料のカード・パック追加のアップデートがなされた本作ですが、それによって幾つかのカードが追加された結果新しいアーキタイプを組むことが可能になりました。
その中のあるカードを使ったデッキの紹介を今からしていきます。
『ワープワールド』
今回のアップデートで追加されたカードのうちで私がもっとも気に入っているカードが《歪んだ世界/Warp World》である。知らない方のためにどんなカードであるか説明しよう。{5RRR}
ソーサリー
各プレイヤーは自分がオーナーであるすべてのパーマネントを自分のライブラリーに加えて切り直し、その後自分のライブラリーの一番上からその総数に等しい枚数のカードを公開する。各プレイヤーは、これにより公開されたすべてのアーティファクト・カードとクリーチャー・カードと土地・カードを戦場に出し、その後エンチャント・カードも同様に行い、その後これにより公開されて戦場に出されなかったすべてのカードを自分のライブラリーの一番下に置く。
どんな効果なのかまるで理解しにくい方がいらっしゃるかもしれないので簡単に言うと、「互いの戦場がまるっきり生まれ変わる」という効果である。そう、このカードは混沌のカラー・パイを与えられた赤らしい赤のための効果をもつカードなのである。
そうした混沌さが理由で、この8マナトリプルシンボルの重いカードはフィニッシャーとして非常に高度な面白さを秘めていると言える。もう2マナ出すとエルドラージが唱えられるが、この安定感のなさと反比例するワクワクがこのカードにはある。
デッキ・コンセプト
《歪んだ世界》で多大なアドバンテージを産むためにはまずこのカードを唱えなければならないため、マナ加速が必須となることを忘れないでおきたい。残念なことにMagic 2015では緑のマナ・クリーチャーが0枚しか収録されていないので、ここはアーティファクトの出番になるだろう。後述するが、《耕作》は入れるかかなり悩ましい。
そして、多大なアドバンテージを産むために必要だと言えるのがデッキ全体をパーマネントで構成することである。戦場に出ている自分がコントロールするパーマネントの数だけライブラリーをめくってパーマネントを出すということは、パーマネントでない呪文の分だけ戦場のパーマネントが減るということでもある。極力パーマネントでない呪文を減らすことでこの問題に対処できる。勿論、そのように組まれていないないデッキを使う相手の戦場は瓦解する。
さらにアドバンテージを産むために必要なことは、パーマネントを複数生み出すパーマネントが最高の相棒であることを忘れないことだ。トークンを生み出すクリーチャーなどはとても頼りになるだろう。こうしたパーマネントに焦点をあてたデッキビルドが重要なので、この点で《拘引》のようなエンチャントによる除去・擬似除去もとても役に立つ。
最後に、使いまわして勝つか一発撃って勝つかを決めるのだが、Magic 2015はあまり融通のきくカードプールではないので、「トークンで殴りつつ《歪んだ世界》でフィニッシュする。無限に唱えるのは第二プラン」という折衷案としよう。そのためにはタップインランドは避けることとする。
そうした試行錯誤の末にできたデッキが以下である。
土地
《平地》10
《島》 5
《山》9
呪文
《オレコスの王、ブリマーズ》1
《従者つきの騎士》4
《拘引》3
《霊廟の護衛》2
《コーの地図作り》2
《珊瑚の障壁》3
《古術師》3
《ゴブリンの熟練扇動者》2
《神々の憤怒》2
《感電の弧炎》4
《オーガの戦駆り》2
《業火のタイタン》1
《歪んだ世界》2
《ダークスティールの鋳塊》3
《隕石》3
以上60枚
プレイング
世界が歪む前
マナ加速をメインにハンドをキープして早めに《歪んだ世界》を唱える。これは相手がトークンを用いたアグロでない場合に大いに有効になる。相手がタップインランドを使っているならぜひとも早めに唱えたいところだ。また、中・低速アグロのように動いて相手を攻撃しつつ《歪んだ世界》を唱えることもできる。《歪んだ世界》が二枚しか入れられない以上コンボ気味に動くことが大変難しいので、基本的にはこの動きが多くなると思われる。
またいずれの際もパーマネントの数が重要になってくるので、チャンプブロックは慎重に行う事。ボードアドバンテージがなにより優先すべきことなのである。また、墓地にいったパーマネントは《歪んだ世界》では帰ってこられないため、墓地に送るパーマネントにも注意すること。