This War of Mine 14日目

前回までのThis War of Mine

 戦争が起き国民全員がその日暮らしとなった日に出逢ったパヴレ、マルコ、ブルーノと後に合流したマリン。駐屯地で物々交換を試みてみたものの、価値のあるものをもっていなかったためマルコは門前払いにされてしまうのだった。



 マルコはほとんど何も持って帰ることができなかった。駐屯地の前にはガラクタ程度があるのみで、駐屯地の中は警戒されてしまっていて探索ができなかったからだ。

マルコが駐屯地で頑張っていた頃、マリンが重傷を負った上にいくつかものを盗まれてしまったことがわかった。高価なタバコ葉と水が盗まれたのがずいぶんとつらい。それだけでなく、マリンが傷の手当てをしないともちそうにない。

マルコはかなり焦っていた。きたばかりのマリンをほっとくわけにはいかない。このままでは死んでしまうかもしれない。ただし昨夜の探索で彼も疲れ果てていたのも事実だった。

当のマリンは自分の症状のことをしっかり把握できていたようで、一番冷静なのは彼自身なのかもしれない。そして、彼はやはりチームのことをなにより気にしているようだった。食料がないのはもちろんで、なにせ二日間の探索でひとつも手に入れていないのだ。

ブルーノも軽傷が悪化していた。どうやら包帯を必要としているようだ。この状態では体が重く動くのもだいぶつらくなってくる。料理人なのに、料理ができないのはブルーノも嫌だろう。

日中は幸いなことにフランコが訪ねてきてくれた。彼はまだ物々交換を生業としているようだが、この危険な日中を出歩いてくれることに感謝して薬と包帯、食料を交換することとした。

早速、マルコはマリンに手当てを施すことにした。冷静な彼はこれからもきっと頼りになるにちがいない。なにより死んでしまうのは絶対に避けたかった。

夜はまた聖マリア教会へ赴くことにした。休みをとったマルコが今夜も出張る予定だ。教会への侵入経路はやはり屋根に近い足場からだ。正面玄関の土砂はどうもどかせそうにない。

ノコギリを持ってきたので、鉄格子をなんなく突破できそうだ。前回きたときは持っていなかったため、この場を後にするしかなかったのだ。鉄格子の手前で地上に出られるが、どうもその先のアパートから狙われている気がしてならないので避けている。

なんとか鉄格子を切る終わると案の定ノコギリは壊れてしまったが、とりあえず先に進もう。中は横穴がずっと続いており防空壕のようになっていた。

探索をしながら先に進むと、なんと離れのアパートの地下室につながっているではないか。ショットガンを装備した悪党がこの中に入っていったことを念頭に入れて、警戒しながら探索していこう。

少し探索していると、ドアの向こうに相手がいるのがわかった。息遣いまで聞こえる位置にきたとき、マルコは急いで隠れることを決めた。しかし、その足音を聞かれてしまった!
ズドン、という音でドアが撃ち抜かれた。マルコは背中を撃たれた実感を感じる前に駆け出していた。決して振り向くことなく足を動かすことに集中して、撃った相手が誰かも確認しないほどだった。生きていることが奇跡だった。二度目はもちろんないだろう。

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