This War of Mine15日目

前回までのThis War of Mine

 戦争が起き国民全員がその日暮らしとなった日に出逢ったパヴレ、マルコ、ブルーノと後に合流したマリン。医療品と食料が尽きかけているために出かけた教会で撃たれたマルコは命からがら帰還したのだった。



無理やり体を動かしてなんとか拠点に帰ってきた彼は立っているのもやっとだった。すぐにでも治療したいが、包帯がないことには変わりない。

また、マリンはふたたび傷が進んでしまったようで、彼もまた包帯を必要としているようだ。どうにかして包帯を手に入れないと、先がなさそうだという恐怖感が我々を覆い始めていた。

食料もないのでそれはどうしたものかと考えていると、近隣の人が訪ねてきて野菜を恵んでくれたのだ。これは天からの恵みだろうか。とりあえず少しだけ空腹を満たせそうだ。

夜は今まで避けてきたスナイパー・ジャンクションに行くことにした。唯一怪我をしていないパヴレが探索役を買ってでたので、久しぶりに彼の出番だ。ここならいくつか医療品も期待できるだろう。

スナイパー・ジャンクションはスナイパーが狙撃してくる通りとして有名で危険な場所だ。しかしパヴレは足が速いので、なんとか撃たれずに駆け抜けることができるはずだ。まるで映画のような場所だが、その映画のような奇跡で医療品をみつけることはできるのだろうか。

スナイパー・ジャンクションはたしかに狙撃のつづく危険な場所だった。通りの真ん中には男がいた。男は通りを抜けた先のマンションにいる自分のこどもに会うために戻ってきたらしいのだが、狙撃のためにここをうごけなくなってしまったらしい。彼の代わりになにかをしてあげられないだろうか。

彼によれば下水道があるらしいが、マンションへの道はふさがれてしまっているらしい。百聞は一見にしかず、下水道へ降りてみたところやはりドアが向こう側からふさがれているようだった。

下水道をあければ傷ついた男もマンションにたどりつけるだろう。そのためにはここから走ってマンションに忍びこむ必要がありそうだ。狙撃手のおかげでマンションは手付かずだったことが幸いして、ずいぶん物品を補給できた。最後にたどりついた部屋を開けると、さっきの傷ついた男の子供がいるのがわかった。
男は礼をいいながら、奥の部屋の鍵をあけて中にあるものをとっていいと言ってくれた。

彼が部屋にもっていたのは、戦前に購入したものであろう宝石だった。この石ひとつにもストーリーがあるのだろう。

最初は絶望的な状況に悲しみにくれていたパヴレも、いいことをしたことに満足感を得ていた。今日は平穏無事に帰ることになるのだろう。

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