前回までのThis War of Mine
戦争が起き国民全員がその日暮らしとなった日に出逢ったパヴレ、マルコと後に合流したマリン。ブルーノが亡くなったあと残されたチームはその事実に落胆させられていた。また朝がやってきた。今日も前日と同じく、つらい朝となった。
マリンが重傷からくる出血に耐えられず、亡くなっていたのが今朝わかったのだ。
重症によって続けて人が死ぬことで、残されたのは同じく重傷のマルコと全く調子の出ないパヴレの二人だ。部屋が物色されていることがわかっても、それが二人の関心をひくことがなかったくらい彼らは傷つき疲弊していた。
マルコは自分の状況を改めて考えていた。自分もかつてのマリン、ブルーノと同じく深い傷を負っている身なので、明日には同じ運命をたどってしまうかもしれないとまで考えてしまう。どうしても今日中には包帯が欲しかった。パヴレにお願いしよう。
一方、パヴレも二人の死から決意を固めていた。チームに入ってきた当初から、マリンは自分たちのために盗みをしてまで命をつなごうとしていたのではなかったのだろうか。彼の意思を継ぐのは残された自分たちだけにしかできない。
この家には自分たち二人しかおらず、今までのように食料をとっておくことにこだわらずとも良くなった二人は、しっかりごはんを食べて二日ぶりの空腹を満たした。少しでも気を紛らすため、午前中いっぱいを使ってマルコとパヴレは話し合いもした。
戸を叩く隣人の声に気がついたときには、すでに昼過ぎだった。どうも人手が欲しいらしい。マルコは体調が悪くなっても、なにか手当てをしてもらえるだろうということで自分が行くことを提案し、パヴレがそれを受け入れた。
一人家にいることになったパヴレは、一日でも伸びたマルコの生存のために市民病院に忍び込むことを決意した。病院で彼が少しだけ看護師に世話になろうとしたものの、彼女はどうやら病気しか相手にできないほど医療品に貧窮しているようだった。パヴレは当初の目的のみを考えることにした。