霊気紛争のシナジー・デッキの強さと弱さとは


こんにちは。すべらき( @T0340T )です。

前回の記事では、霊気紛争のドラフトで全勝するためにシグナルとなり得るコモンの青が流れてきたら青に挑戦してみようというお話をしました。
これはフライヤーを用いてビートダウンをするというシンプルな強さを持っていることが理由でした。
では、そうした青のカードが流れて来なかったらどうしたらいいのでしょうか。

今回は身内ドラフトで活躍した黒緑のデッキを紹介し、そのシナジーを活用したパワフルなアグロ戦略について触れ、そうしたデッキを作る目安を考えていきましょう。



〈Main Deck〉24(+Basic Land)
〈Land〉
《花盛りの湿地/Blooming Marsh(KLD)》
〈Creature〉
《鋳造所のコウモリ/Foundry Screecher(KLD)》
《不死の援護者、ヤヘンニ/Yahenni, Undying Partisan(AER)》
《霊気毒殺者/Aether Poisoner(AER)》
《夜市の護衛/Night Market Guard(AER)》
《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》
《洗練された鍛刃士/Elegant Edgecrafters(KLD)》
《造命の賢者、オビア・パースリー/Oviya Pashiri, Sage Lifecrafter(KLD)》
《霊気流の豹/Aetherstream Leopard(AER)》2
《僧帽地帯のドルイド/Druid of the Cowl(AER)》
《隠れた薬草医/Hidden Herbalists(AER)》
《襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary(AER)》
《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》
《自己組立機械/Self-Assembler(KLD)》
《鋳造所の組立工/Foundry Assembler(AER)》
〈Non-creature spell〉
《隠然たる襲撃/Subtle Strike(KLD)》
《危険な窮地/Perilous Predicament(AER)》
《高峰の注入/Highspire Infusion(AER)》
《捕食/Prey Upon(AER)》
《リシュカーの巧技/Rishkar's Expertise(AER)》
《改革派の貨物車/Renegade Freighter(KLD)》
《放射篭手/Torch Gauntlet(KLD)》
《獰猛器具/Implement of Ferocity(AER)》
〈Sideboard〉
《砦の執行官/Bastion Enforcer(AER)》
《飛行機械による拘束/Thopter Arrest(AER)》
《霊気急襲者/Aether Swooper(AER)》
《内陸のドレイク/Hinterland Drake(AER)》
《改革派の逃亡/Renegade's Getaway(AER)》2
《チャンドラの革命/Chandra's Revolution(AER)》
《怒れる巨人/Enraged Giant(AER)》
《シャイラ専有地の賢者/Sage of Sheila's Claim(KLD)》
《造命師の贈り物/Lifecrafter's Gift(AER)》
《霊気運用者/Aether Herder(AER)》
《危険な状況/Hazardous Conditions(KLD)》2
《速接会のオオトカゲ/Weldfast Monitor(KLD)》
《改良器具/Implement of Improvement(AER)》
《悪意器具/Implement of Malice(AER)》
《歩行貯蔵器/Reservoir Walker(AER)》
《沼/Swamp(KLD)》*foil

今回は以上の通り、緑に黒をタッチした形のシナジー・デッキです。
+1/+1カウンターを駆使し強大になったクリーチャーで対戦相手の小さなクリーチャーを踏み潰してライフレースに勝つことに楽しさを感じるなら、ぜひともこの色のデッキをおススメします。

ポイントは《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》です。霊気紛争で新たにカードプールに加わったこのカードは黒緑のあつかうシナジーの根幹を支える大切なアンコモンです。
このクリーチャーは2マナで2/3というマナレシオが目につきますが、この蛇自身はあまり殴りにいくタイプではなく、強力なのはその能力です。
この能力はクリーチャーやアーティファクトに乗るカウンターを1個多く増やしてくれるため、製造の能力を筆頭にした+1/+1カウンターを乗せる能力が劇的に強くなるのです。
例えばカラデシュのドラフトでも強かった《ピーマの先導/Peema Outrider(KLD)》は4マナ3/3トランプルに製造1がついているので、蛇がいれば4マナ5/5トランプルになることができます。
また、《襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary(AER)》もその強さを後押しする素晴らしいアンコモンです。戦場に出た時か自身が死亡したときに、カウンターを1個増やすことができます。その上、自身も3/3トランプルというサイズで+1/+1カウンターと相性がよいので、シナジーを構成する準備として素のままでも使うことができる幅広い役割があります。

前回の記事でも触れたように、霊気紛争では受けを広くして強いアンコモンをピックしていく戦略をとっていくと、稀に《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》や《襲拳会の革命家/Maulfist Revolutionary(AER)》がピックできます。青と白のフライヤーぐらいしかぱっとした性能のコモンのクリーチャーしかいないこの霊気紛争の環境では、そうしたイケてるカードをピックしてから他の色のコモンを選んでいても問題ないことが多いでしょう。
そのピックがサイドボードにあらわれているので、参考にしてください。
青のシグナルであるコモンもとれていますが、青にいかなかった理由はよりよいアンコモンが他の色で取れていたからです。

ここで無色のカードの話をしたいと思います。
カラデシュのみのドラフトの時からレイトゲームを意識したドラフトをする人は《自己組立機械/Self-Assembler(KLD)》を評価していましたが、霊気紛争では速度の緩くなった戦場で彼の立場はより強力になりました。霊気紛争で他の組立作業員のクリーチャー・タイプを持つカードが現れたため、今回も組立作業員を用いたデッキが作れます。それが表れているのが《鋳造所の組立工/Foundry Assembler(AER)》のピックです。
彼は組立作業員のためデッキから飛び出すことができます。また、即席を持っているのでマナが余っていればそのまま唱えることもできるのです。
霊気紛争の発売前に公開したドラフト点数表でも黒緑など遅めの展開になるデッキで扱いたいという評価をしたこのカードですが、まさに大活躍でした。試してみることをオススメします。

ただ当然これらのクリーチャーが活躍できる場を失うようなバウンスや打ち消し、丁寧な除去にはめっぽう弱いのがシナジー・デッキの脆さではありました。《巻きつき蛇/Winding Constrictor(AER)》キープしたハンドをハンデスで落とされ序盤の動きを阻害されたり、ヤヘンニを阻む2/3を多用するデッキに押し切られたりと、シナジーを育てる隙がないと上手くいきません。
青や黒を使っているデッキには要注意といった感じでしょうか。

このように、単体では最低限のクリーチャーもシナジーを活かすことでそのポテンシャルを飛躍的に伸ばせるデッキがドラフトで作れるというのは本当に面白いものです。次はまた別のアーキタイプでドラフトができたらお会いしましょう。

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